笠間焼(かさまやき)は、茨城県笠間市を中心に発展してきた歴史ある陶芸です。素朴な土の風合いに、現代的で洗練されたデザインを取り入れた器は、日々の暮らしを豊かに彩ってくれます。最近では、笠間焼の「おしゃれさ」に惹かれて、器好きの若者やインテリア好きな方々が訪れることも増えています。
本記事では、そんな笠間焼の魅力に触れながら、おしゃれで個性的なお店を厳選してご紹介します。カフェ併設のお店や、作家本人と話せるショップ、器と雑貨を組み合わせた空間演出が楽しめる店舗など、センスあふれるスポットが満載です。
「ギフトにぴったりな器が欲しい」「旅先でセンスの良いお店に立ち寄りたい」という方に向けて、笠間焼の世界をたっぷりお届けします。笠間市への旅の参考にもどうぞ。
笠間焼とは?おしゃれな魅力が詰まった伝統工芸
笠間焼の歴史と特徴をやさしく解説
笠間焼は、茨城県笠間市で約250年以上の歴史を誇る伝統工芸です。その始まりは江戸時代中期、信楽焼の技術を学んだ陶工・久野半右衛門が笠間の地に窯を築いたことがきっかけでした。以来、地域の土を使い、時代に応じた自由な作風で発展してきました。
特徴の一つは「型にはまらない多様性」です。たとえば、備前焼や益子焼のように明確なスタイルがある焼き物とは異なり、笠間焼は作家の自由な発想が活かされ、色や形にとらわれない個性豊かな作品が数多く生み出されています。湯呑やマグカップ、花器、食器類まで、日常で使える器が多く、実用性と芸術性を兼ね備えているのも魅力のひとつです。
このように、伝統に根ざしながらも常に進化しているのが笠間焼。だからこそ、幅広い世代に愛され続けているのです。
笠間焼が「おしゃれ」と人気を集める理由
最近、SNSや雑誌などで「笠間焼=おしゃれ」というイメージが広がりを見せています。その背景には、いくつかの理由があります。
まず第一に、シンプルで洗練されたデザインが多いこと。例えば、マットな質感や淡い色合い、柔らかなフォルムの器は、北欧風のインテリアやミニマルな食卓にも自然になじみます。派手すぎず、でも存在感がある——そんな“ちょうどいいデザイン”が、暮らしに馴染むと評判です。
次に、「作家もの」の魅力です。笠間では、陶芸作家が自分の窯を持ち、個人の感性で作品を制作・販売しています。そのため、他にはない一点ものの器が多く、贈り物やコレクションにもぴったり。「誰かと被らない」「選ぶ楽しみがある」という点も、“おしゃれ”と感じさせるポイントです。
さらに、笠間市内には器を引き立てるギャラリー風のショップや、スタイリッシュな内装のお店が多いことも、見た目の印象を左右しています。器だけでなく、空間全体が美しくデザインされているため、「ただ買い物する」以上の価値を感じられるのです。
笠間焼の今:若手作家と現代的なデザイン
近年、笠間焼の魅力を支えているのが、新しい感性を持った若手陶芸作家たちです。東京などの美大や芸大を卒業し、笠間の自然に惹かれて移住した作家たちが、自分のスタイルで作品を生み出しています。
たとえば、シンプルな形状の中に少しだけゆがみを取り入れたデザイン、釉薬(ゆうやく)をあえてムラづけにした表現など、現代的なセンスと遊び心を感じる作品が多数登場しています。これらは「作品」ではなく、「日常に使えるアート」として評価されており、特に20〜40代のライフスタイル志向の高い人々から人気を集めています。
また、若手作家が自らショップを運営したり、イベントでライブ制作を行ったりと、購入者と直接つながるスタイルも注目の的。こうした体験は、ただの「モノ消費」ではなく「ストーリーのある器との出会い」を生み出しています。
さらに、女性作家の活躍も目立っており、可愛らしい動物モチーフや、優しい色使いの器など、女性目線での“おしゃれかわいい”笠間焼も登場。伝統と革新が融合した今の笠間焼は、まさに見逃せない存在です。
笠間焼のおしゃれなお店おすすめ3選
【1】ギャラリーロードの注目店「回廊堂」
笠間市の中心部を走る「ギャラリーロード」は、陶芸の魅力をたっぷり味わえるショップや工房が点在する人気エリアです。その中でもとりわけ目を引くのが「回廊堂(かいろうどう)」です。白壁と木のぬくもりが調和したモダンな外観で、まさに「おしゃれなお店」という表現がぴったり。
店内には、選び抜かれた笠間焼の器がずらりと並び、食器だけでなく花器やインテリア小物も取り扱っています。たとえば、ナチュラルな色合いのプレートや、凛とした佇まいのカップなど、どれも作家の感性が光る一点ものばかりです。
また、季節ごとに展示が変わるのも特徴で、何度訪れても新しい発見があります。器とアートが融合したこの空間は、「見る・選ぶ・使う」すべての楽しさが詰まっており、特別なギフト選びにもおすすめです。
【2】作家直営のセレクトショップ「陶の小径」
「陶の小径(とうのこみち)」は、笠間焼の若手作家が自ら運営するセレクトショップで、感性豊かな作品と直接出会える貴重な場所です。お店は、自然に囲まれた小道沿いに建ち、まるで隠れ家のような佇まい。小さな木造の建物の中には、温かみと洗練が共存する作品がずらりと並びます。
特徴的なのは、作家本人と会話しながら器を選べること。たとえば、「このマグカップはどんな土を使っているの?」「この釉薬の色、どうやって出しているの?」といった質問にも丁寧に答えてくれるので、器選びがより深い体験になります。
また、店内のディスプレイも非常におしゃれで、器とドライフラワー、木工雑貨などが美しくコーディネートされているのもポイント。写真映えもするので、SNSに投稿したくなる方にもおすすめです。
【3】カフェ併設「かさま陶芸の森ショップ」
観光客に人気のスポット「笠間芸術の森公園」内にある「かさま陶芸の森ショップ」は、笠間焼の魅力を一度に味わえる複合施設です。ギャラリーと直売所が一体となっており、常時50名以上の作家による作品が展示販売されています。
特に人気なのが、カフェ併設の空間です。器を実際に使ってコーヒーやスイーツを楽しむことができ、「このカップ、すごく持ちやすい!」「このお皿、家にも欲しい!」といった体験が自然に購入意欲につながります。
また、器の種類も幅広く、日常使いのマグカップから、おもてなしに使える大皿、アート性の高いオブジェまで豊富に取り揃えています。施設自体も広く、開放感があるため、家族連れやカップルにもぴったり。観光ついでに立ち寄るだけでも、充実した時間が過ごせるでしょう。
笠間焼をもっと楽しむ!雑貨・カフェ・体験スポット
器と雑貨が融合「クラフト&リビングの店」
笠間焼の魅力は器だけにとどまりません。実用性とアート性を兼ね備えた笠間焼は、インテリア雑貨との相性も抜群です。「クラフト&リビングの店」は、そんな器と暮らしをつなぐセレクトショップとして人気を集めています。
店内には、笠間焼の食器を中心に、木工雑貨、布製品、ガラス小物など、暮らしを彩るアイテムが豊富に揃っています。たとえば、陶器のランプシェードや、笠間焼のボウルに合わせて作られた木のスプーンなど、「器を中心に空間を楽しむ」提案があふれています。
また、スタッフが器と雑貨の組み合わせを丁寧にアドバイスしてくれるので、プレゼント選びにも最適。ナチュラル志向の方や北欧テイストが好きな方には特におすすめのお店です。器好きにとってはまさに“宝探し”のような空間です。
笠間焼カフェで味わう、器のある暮らし
「おしゃれなお店」として注目を集めているのが、笠間焼の器を実際に使っているカフェです。たとえば、ギャラリーに併設されたカフェでは、笠間焼のカップで淹れたコーヒーや、手作りケーキが楽しめます。
このようなカフェでは、使う器そのものがインテリアの一部となり、料理や飲み物の味わいを引き立てます。たとえば、温かみのある釉薬のマグカップで飲むカフェラテは、心までほっとするようなひとときを演出してくれます。
さらに、カフェのテーブルや照明、壁の装飾までが笠間焼と調和したデザインになっており、まるで器の世界に浸っているような感覚に。器を使う「体験」ができることで、「このカップ欲しいな」「このお皿、家でも使いたいな」と思う方が多く、実際に併設ショップで購入する方も多数います。
笠間焼の陶芸体験ができるおしゃれな工房
笠間には、おしゃれで気軽に参加できる陶芸体験施設も多数あります。中でも人気なのが、カフェのような内装の工房や、ギャラリー併設の体験スペースです。まるで美術館の一角で制作しているような気分が味わえます。
体験では、電動ろくろや手びねり、絵付けなどが選べるため、初心者でも安心して楽しむことができます。たとえば、マグカップや小皿、お茶碗などを自分で成形し、好きな色の釉薬を選ぶだけで、世界に一つだけのオリジナル器が完成します。
また、スタッフや作家が丁寧にサポートしてくれるため、お子様連れやカップルにも大人気。完成品は後日郵送されるので、旅の思い出としても、贈り物としても喜ばれます。ものづくりの楽しさを体験することで、笠間焼の奥深さにさらに惹かれること間違いなしです。
初めての人も安心!笠間焼のお店巡りQ&A
笠間焼のお店はどこに多い?アクセスのコツ
初めて笠間を訪れる方にとって、「笠間焼のおしゃれなお店って、どこにあるの?」というのは気になるポイントですよね。実は、笠間市内には笠間焼を扱うショップや工房が点在しており、その中心となるのが「笠間芸術の森エリア」と「ギャラリーロード周辺」です。
笠間駅からバスや車で10〜15分ほどの場所に、多くのギャラリーやショップ、陶芸施設が集まっています。公共交通機関を利用する場合は、JR常磐線の友部駅から水戸線に乗り換え、「笠間駅」下車が便利。駅からはレンタサイクルのサービスもあるので、おしゃれなお店をゆっくり巡るにはぴったりです。
また、車で訪れる方は、無料駐車場が用意されている施設も多く、ドライブを楽しみながらのお店巡りもおすすめです。笠間市内の道は比較的走りやすく、カーナビで「笠間芸術の森」や「ギャラリーロード」と検索すれば迷わずアクセスできます。
おしゃれなお店での購入予算は?価格の目安
笠間焼のおしゃれなお店では、いろいろな価格帯の商品が揃っていますが、初めての方にも手が届きやすい価格帯が多いのも魅力です。たとえば、マグカップは1,500円〜3,500円程度、小皿は1,000円前後から購入可能です。
もちろん、作家ものや一点ものになると価格は上がりますが、それでも5,000円〜10,000円程度が中心で、美術品のように高価すぎるということはありません。たとえば、ギフト用に選ばれるペアカップやプレートセットなどは、5,000〜8,000円前後が相場です。
さらに、セール時期やイベント期間中には、通常よりもお得に購入できることもあります。また、器と合わせて木製カトラリーや雑貨をセットにすると、予算に応じた“おしゃれなギフト”が完成するため、贈り物としても高評価です。
笠間焼のお店で見つかる人気商品TOP3
笠間焼のお店では、どんな商品が人気なのでしょうか?初めて訪れる方にもおすすめできる、人気アイテムTOP3をご紹介します。
1位:マグカップ
毎日使える実用性と、作家ごとの個性が楽しめることでダントツ人気。口当たりや持ちやすさなど、細かなこだわりが光る一点が多く、選ぶ楽しみがあります。
2位:豆皿・小皿
小さいながらもデザイン性に富み、価格も手頃で、コレクター心をくすぐるアイテムです。お菓子をのせたり、アクセサリートレイとしても使えるため、用途の幅が広いのが魅力です。
3位:花器・一輪挿し
インテリアとしても注目される花器は、「おしゃれな暮らし」に欠かせないアイテム。特に若手作家が作るミニマルデザインのものが人気で、季節の花を一輪飾るだけで空間が引き締まります。
これらはすべて、お店ごとに異なるデザインが展開されているため、まるでアート巡りをするかのように、自分だけの一品を探す楽しさがあります。
まとめ
笠間焼は、伝統を守りながらも自由で現代的な表現が魅力の陶芸です。特に最近では、おしゃれな器や洗練された空間演出が話題となり、多くの人が笠間の街を訪れています。本記事では、個性豊かなショップやカフェ、体験スポットまで、幅広い楽しみ方をご紹介しました。
日常を彩る器との出会いを求めて、ぜひ笠間焼のおしゃれなお店を訪れてみてください。暮らしの中に、小さなアートを取り入れる喜びがきっと見つかります。