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九谷焼の招き猫の魅力とは?特徴・意味・飾り方をわかりやすく解説

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色鮮やかで個性豊かな「九谷焼の招き猫(まねきねこ)」は、近年インテリアアイテムや縁起物として注目を集めています。単なる置き物ではなく、九谷焼の伝統技法と縁起の良いモチーフが融合した**“開運アート”**として、多くの人に親しまれています。

「普通の招き猫と何が違うの?」「どんな意味があるの?」「どこに飾ればいいの?」そんな疑問を持つ方のために、本記事では九谷焼招き猫の特徴や意味、選び方、飾り方のコツを初心者にもわかりやすく解説します。お気に入りの招き猫を見つけて、日常に福を招き入れてみませんか?

九谷焼の招き猫とは?

九谷焼ならではの色彩と絵付けの魅力

九谷焼の招き猫の大きな魅力は、なんといっても華やかな色彩と繊細な絵付けです。九谷焼の特徴である「五彩(ごさい)」──赤・青(緑)・黄・紫・紺青──を使った大胆で鮮やかな色使いは、他の焼き物にはない存在感を放ちます。

たとえば、招き猫の体に花鳥風月の絵柄や縁起物のモチーフが美しく描かれており、その一つひとつが絵画のように見ごたえがあります。色のバランスや構図の美しさは、インテリアとしても映えるだけでなく、見るたびに心が和むような芸術性を感じさせてくれます。

伝統とモダンが融合したそのビジュアルは、海外のファンにも人気が高く、九谷焼の技術が息づく実用品でありながらも、**まさに“飾れるアート”**としても楽しめるのが九谷焼招き猫の大きな魅力です。

縁起物としての招き猫と九谷焼の融合

古くから商売繁盛や金運アップの象徴とされてきた「招き猫」は、日本を代表する縁起物のひとつです。その由来にはさまざまな説がありますが、共通して「福を招く存在」として、店舗や家庭の守り神のような役割を果たしてきました。

そこに九谷焼の伝統的な技術と美的センスが融合することで、単なる縁起物ではない、美しさと願いを兼ね備えた特別な存在になります。九谷焼で作られた招き猫は、その高級感や重厚感から、開業祝いや新築祝い、還暦などの記念品としても選ばれることが多いです。

また、色や絵柄によってご利益が変わるため、「金運を上げたい」「人との縁を広げたい」「家庭運を高めたい」など、自分の願いに合わせて選ぶことができます。まさに**“自分だけの福を招く守り猫”**として、暮らしに寄り添ってくれる存在です。

一つひとつが異なる作家の個性

九谷焼の招き猫は、工房や作家によって表情・色・構図が大きく異なるのも魅力のひとつです。九谷焼では、成形や絵付けをすべて手作業で行うことが多く、同じ型でも仕上がりが微妙に変わるため、一点ものの作品として楽しめる要素があります。

たとえば、ある作家は鮮やかな金彩で豪華な装飾を施し、別の作家は動物の毛並みを繊細に描いた写実的なスタイルを得意とします。それぞれの作品には作家の美意識や技術、想いが込められており、アートとしての価値も高いのが九谷焼ならでは。

選ぶ楽しさがあるのはもちろんですが、「この表情に惹かれた」「この色使いが好き」といった直感的な出会いもまた、九谷焼招き猫を手にする喜びのひとつです。世界にたった一つの招き猫が、あなたの元に福を呼び込んでくれるかもしれません。

九谷焼招き猫の意味と種類

右手・左手の違いとその意味

招き猫には「右手を上げている猫」と「左手を上げている猫」がありますが、それぞれ招くものが異なるとされています。

一般的に、右手を上げている猫は「金運」や「財運」を招くとされ、特に商売繁盛や収入アップを願う人に人気があります。一方で、**左手を上げている猫は「人(客)を招く」**とされており、来客や人とのご縁を大切にしたいときに選ばれます。

九谷焼の招き猫にもこの右手・左手のバリエーションがあり、自分の願いや目的に合わせて選ぶことができます。なお、両手を上げた“ダブル招き”タイプもあり、「金運も人脈も両方招きたい!」という欲張りな(?)願いにぴったり。ただし「手を上げすぎると“お手上げ”になる」といった縁起にまつわる説もあるため、飾る際には意味を理解した上で選ぶのが大切です。

色によって異なる招き猫のご利益

九谷焼の招き猫には、豊富な色彩バリエーションがあり、それぞれに異なるご利益があると考えられています。これは色彩を重んじる九谷焼ならではの魅力でもあります。

  • :無垢・幸福・清らかなご縁
  • :厄除け・魔除け・健康運
  • :病除け・長寿・情熱
  • 金色:金運・財運・成功
  • :学業成就・安全・調和
  • ピンク:恋愛運・家庭運

このように、色によって願いごとに合った招き猫を選べるのが特徴です。たとえば、「受験を控えた家族のために緑の招き猫を」「新しい仕事を始める友人に金色の猫を」など、贈り物として選ぶ際にも意味を込めて選ぶことができます。

九谷焼ならではの鮮やかな発色により、どの色も見た目が華やかで美しく、飾るだけで空間を明るくしてくれます。

サイズやポーズにも込められた意味

九谷焼の招き猫は、サイズやポーズの違いにも注目すべきポイントがあります。一般的には高さ10cm前後の小ぶりなものから、30cmを超える存在感のあるものまで多様なサイズがあり、飾る場所や目的に応じて選ぶことができます。

小さいサイズはデスクや玄関の棚、トイレなどの小スペースに置きやすく、さりげなく福を招くアイテムとして人気。一方で、大きなサイズのものはリビングや店舗の入り口などに飾られ、空間全体を華やかにし、強いご利益を期待されることが多いです。

また、九谷焼の招き猫には、前足を自然に曲げていたり、首を傾けていたりと、ユニークなポーズをしている作品も多数存在します。これらは作家の個性を反映したものであり、「ただの縁起物」にとどまらない、アート性の高い縁起飾りとして楽しめるのも九谷焼ならではの魅力です。

九谷焼招き猫の選び方

開運・金運・商売繁盛など目的別で選ぶ

九谷焼の招き猫を選ぶ際は、何を願うか=目的を明確にすることが第一歩です。たとえば、金運や商売繁盛を願うなら右手を挙げた金色の招き猫が定番。ショップやオフィスの入口に飾ると、お金を引き寄せる縁起物として効果があるとされています。

人とのご縁や家庭円満を願うなら、左手を挙げた白やピンクの招き猫がおすすめ。来客運や人間関係運を高めたい家庭やサロン経営者などにも人気があります。また、健康運を求める方には赤や黒の招き猫がぴったりです。

このように、九谷焼招き猫は色・手の向き・表情にいたるまでバリエーションが豊かなので、自分の願いに合わせて“意味”から選ぶことが、最も満足度の高い選び方となります。

自宅用・店舗用・プレゼント用で考える

使う目的や場所によって、選ぶべき九谷焼招き猫のタイプも変わってきます。たとえば、自宅用であれば、小さめでインテリアに調和するカラーや、やさしい表情の招き猫が人気。玄関やリビングの棚に飾ることで、日々の生活に“ちょっとした運気アップ”をもたらしてくれます。

店舗用やビジネスシーンで使用する場合は、インパクトのある中〜大サイズで、金運や集客運に特化したデザインがおすすめ。色も華やかで目を引くものがよく選ばれます。目立つ場所に飾ることで、来店客の注目を集め、縁起のよさを演出できます。

プレゼント用として選ぶ場合は、意味が分かりやすく、サイズが扱いやすいものを選びましょう。桐箱入りや風呂敷ラッピングなど、贈答向けの仕様が整っている商品も多いため、贈る相手の願いや状況に合わせてチョイスすると喜ばれます

人気作家・窯元の作品から選ぶ

九谷焼の招き猫は、作家や窯元によって表情や雰囲気が大きく異なります。伝統的なスタイルを重視するなら、老舗の窯元や地元石川県の九谷焼協同組合加盟工房の作品を選ぶのが安心。安定した品質と格式を求める方に向いています。

一方で、若手作家や現代アーティストによるユニークな作品も近年人気を集めています。ポップな配色や可愛らしいデフォルメ、洋風インテリアにもなじむデザインなど、従来のイメージを覆すような作品が多く、幅広い世代に支持されています。

たとえば「青郊窯」「福田良則」「山田和」などの作家は、伝統と現代性を融合させた作風で人気。通販サイトや陶器市、クラフトフェアなどで直接購入できることもあり、作家の世界観に共感して選ぶ楽しさも九谷焼ならではの醍醐味です。

九谷焼招き猫の飾り方と注意点

効果的な飾る場所とは?玄関・店舗・リビング

九谷焼の招き猫を飾る際、どこに置くかによって招く運気が変わるといわれています。まず、最も一般的な場所は玄関。出入り口は“気”の通り道とされ、ここに招き猫を置くことで、良い運気を家や店の中へと呼び込むと考えられています。

店舗では、レジ横や入口付近の目につきやすい場所がベストポジションです。お客様の視線が自然と集まる場所に置くことで、「歓迎ムード」を演出しながら商売繁盛を願うことができます。

家庭の場合は、リビングや棚の上など、家族が集まりやすく、清潔で明るい場所がおすすめです。部屋の雰囲気に合った九谷焼招き猫を置くことで、インテリアとしても馴染み、自然と運気を引き寄せる空間が整います。

方角や高さなど風水的なポイント

風水的に見ると、招き猫を飾る方角や高さも重要です。一般的に、金運や財運を高めたい場合は「西」または「北西」方向に、**人とのご縁や良縁を招きたい場合は「東」や「東南」**がよいとされています。

また、床に直置きせず、棚や台など少し高めの位置に置くこともポイント。高さは“格”を上げるとも言われており、目線よりやや下、または同じくらいの高さに置くことで、より効果的に運を招くとされています。

複数の招き猫を飾る場合は、意味がぶつからないよう配置に工夫を。たとえば、金運の招き猫と人脈運の招き猫をセットで飾るなら、それぞれを目的に合った方角に配置し、スペースに余裕を持たせましょう。

長く大切に飾るためのお手入れ方法

美しい九谷焼招き猫を長く楽しむには、定期的なお手入れが欠かせません。絵付け部分は繊細なため、乾いた柔らかい布や羽はたきなどで、こまめにほこりを落とすようにしましょう。水拭きや洗剤の使用は、色あせやヒビの原因となる場合があるので避けてください。

特に金彩や銀彩が施された作品は、湿気や酸化に弱いため、湿度の高い場所や直射日光の当たる場所を避けて飾ることが推奨されます。飾り棚の中に入れて保管することで、傷や劣化から守ることも可能です。

また、年末年始や季節の節目には、軽く拭き掃除をしながら「今年もよろしくね」と声をかけるような気持ちで接すると、より福を招いてくれるという言い伝えもあります。手をかけたぶんだけ、運気も育まれていくのが招き猫との素敵な関係です。

まとめ

九谷焼の招き猫は、伝統的な色彩と絵付けによる美しさに、縁起物としての意味が重なった“飾れる開運アイテム”です。金運・人脈・健康など、願いに応じて手の向きや色、サイズを選べるのも大きな魅力。作家ごとの個性も楽しめるため、自分だけの特別な一点に出会えるはずです。飾る場所や方角に気を配り、丁寧にお手入れすれば、きっとあなたの暮らしに福を招いてくれることでしょう。

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